私はヘルメットを被りなおし、悠太は運転席に座ってエンジンを掛けた。
そしてアクセルを踏み、森の中を走っていった。

 すると突然バイクが何かに躓き、バイクと私たちは宙を待った。

「うわっ…」 「きゃあ!?」

 私たちはバイクと共に地面に投げ出されたが、柔らかい芝生の上だったし、
ヘルメットを被っていたためそれほど怪我はしなかった。

 悠太は打った背中をさすりながら仰向けに倒れている私のところに駆け寄
り、私を抱き起こした。

「空澄霞!大丈夫か!?」
「…あたた…腰打ったぁ~…」

 閉じていた目を開け、悠太と私は暫く見つめあい、最終的に笑い始めた。
悠太が何かに躓くなんて珍しいこともあるようなものだった。

 ところで、悠太は何に躓いてこんなことになったのだろうか?
バイクの近くには何もぶつかるようなものが無い…
じゃあ何故?

 そう思って後ろに振り返ると、そこには…でっかい龍が…いた。