私に気づいた啓が嫌そうな顔をした。

そんな顔されたらショックやん。





勇斗兄ちゃんが啓の腰にシップを貼っている。




「啓、どーしたん?」



「あ、こいつさぁ、腰痛めたみたいやねん。」



と言いながら勇斗兄ちゃんは笑う。


腰?

…なんか爺くさい。


思わず笑いそうになるのを必死に堪えた。






「え!?大丈夫なん?」


「……おぅ。」





「啓?」


「なんやねん。どーせ爺くさいとか言うんやろ!」



あ……ごめんなさい。





すねた口調でプイッっとそっぽを向いて言う啓。





なんか今日の啓、可愛い。


「あーあ。大人げないねぇ。」



そう勇斗兄ちゃんに言われると啓はキッと睨んだ。



「もともとはお前のせいやろーが!」


「え?そうなん?」


「とぼけんなっ!!!」


そう言って勇斗兄ちゃんに飛びかかった。



あぁ!

そんな動いたら…






「ぃいってぇーーーっっ!」



ほらね…。



「本間に大丈夫?学校行ける?」



「は?行けるに決まってるやろ。」



無理してへんかなぁ…。



「まぁ、しんどかったら言って。朝ご飯は啓の好きなフレンチトーストやから食べにきてや?」