「今日だけ俺の言うことだけ聞くメイドになって」
「は!?無理無理!なんで私が…。」
また啓はニヤニヤした顔でこう言った。
「借り返さへんつもりなん?」
うぅ…
そんな風に言われたら引き下がられへん。
「わかった!何すればいいん!?」
勢いよく言った。
「う〜ん、そうやなぁ…。」
大きな目を泳がせながら考え込む。
すると、立ち上がった。
「こっち来てや。」
手を引っ張られる。
連れてこられたのは誰もいない校舎の屋上。
隣の校舎には花火がセットされている。
今時学校で打ち上げ花火ってのも珍しいと思う。
私達の学校は敷地が広くて、近所の住民には毎年了承を得ている。
だから苦情が来ることは滅多にない。

