「さっ…く…。」




いつもふざけで好き好き言われてると思ってたから、真に受けてなかった。




だからビックリした。







それに…

啓が見てる…。





色んな事がこんがらがって何がなんだか分からない。

でもこれだけはちゃんと言っておきたい。



「…さっ君。私…好きな人おるねん。」





「うん。知ってる。」



そう言って私を引き離した。




「ただ美緒ちゃんに今、急に伝えたくなっただけや。」





「うん…。ありがと。気持ち、応えられなくてごめん。」




「うん。」



啓はその間ずっと黙って見てた。



話終わると、さっ君は啓にポソリと何か言った。



よく聞こえなかったんやけど…。



「んじゃまたね!美緒ちゃん。」




さっ君は少し寂しそうな笑顔で私達に手を振った。


あっさりした告白やったなぁ…。