「じゃあ、あたしのメルアドと番号教えてあげるから、今日のお昼奢ってね」



理不尽…ではないか、むしろ安い。しかし彼女の甘えるような口調は凶器だな。

俺は迷う事なく頷いた。



「ほんと!?絶対だからね」

そう言って、俺に抱き付いてきた。
困った…。経験がない場面、予想外の展開。

赤くなるしかないじゃないか。大学の敷地内とはいえ、出口に近い場所だから公衆の面前とさして変わらない。



背中に突き刺さる、他の男の視線。