家に帰ると『それ』は、瞑想していた。

コモレビに包まれて、
守られているように、

爽やかな秋風で、
葉のこすれる音に祝福されているように、

『それ』は、弱々しく手をあわせて、視線は天を仰いでいた。


その姿は、ただただ俺の視界を、俺の動作を奪った。