目の前の非現実的な画面の内容に、思考が止まった。

…送れて無かったのならしょうがない!

なんて割り切れる男じゃないし。

その時、何を思ったのか足は玄関に向かっていた。
庭に出て『それ』の前に行って座る。


寝ている?『それ』に向かって零れた言葉は

「どうしたらいい?」

何言ってるんだろう?


こんな得体の知れないものに弱音をこぼすなんて…どうかしている。
でも、なんだか知らないけど言いたかった。

言った瞬間、ちょっと落ち着いた。不思議な感覚。
疲れ果てた体を温泉に沈めるような安堵感。

違うか

真冬の夜にコタツに潜るような心地よさ。

それも違う?

なんだか知らないけれどとにかく落ち着く。


とりあえず、謝ってみよう。うん。