初恋の先で君を愛せたら

少しだけ沈黙があって、私は勇気を出してこういった。

「かっこよくなった」

さっきのお返し。


でも那徠はぜんぜんテレなくて、なんかつまんない。


「そっち、行っていい?」

私は急に立ち上がった。

観覧車の小さな空間が、わずかに揺れる。

「え…なんで?」

「行きたいから」

「傾くじゃん」

「いいの」

私は強引に那徠の横にすわった。


思ったより近くて、少しアセる。