初恋の先で君を愛せたら

*那徠side*

色ちゃんからノートが届いたとき、僕は天にも昇る気持ちだった。


十年間、ずっと胸のなかに閉じ込めていた思いが一気に押しよせて、僕一人じゃとても抱えきれないほどだった。


でも、ノートに書かれた色ちゃんからの返事を見て、それまでの喜びと同じくらい大きな悲しみがのしかかってきた。


『もしよかったら、これからも時々連絡取り合えないかな?』


一ヶ月前の僕だったら、どんなにうれしかっただろう。