すると、愛紗美ちゃんは
 いきなり自分の制服のポケットに
 手を突っ込んだ。


 『私、考えたんだ!』

 「え?」


 俺が首をかしげると、
 ポケットに隠れていた手が
 目の前に出てくる。


 「こんなに!?」

 
 俺の手には、苺飴がのっかった。

 しかも…7個も。


 『私ね、ふっきれたの!』

 「先輩のコト?」

 『うん!だから、光瑠くん…安心して』


 そう言い、彼女は
 俺に優しく笑う。


 嗚呼、この笑顔は
 本物だ。

 特上の笑顔だ。心から思った。


 
 「だからって、なんで苺飴?」

 『私が好きだから、かな?』


 愛紗美チャンは苺飴が
 好きらしい。

 だったら…愛紗美チャンが
 食べればいいのに。

 
 そう思った。


 『苺飴1つが10%!じゃ!!』

 「え?!愛紗美チャン!?!?」


 愛紗美チャンは最後に
 こう言って、走って行ってしまった。