それでも、消えそうなこの出逢いを、繋がりに変えたのは、私の方だった。


私は、しっかりと目に焼きつけた男を、少しずつ、毎日ように探し続けたのだ。



見つけ出した時、どうするつもりだったのかはわからない。


ただ、借りた傘を返して、お礼を言うだけのつもりだったのかもしれない。



だけど、それ以上に

もう一度会いたい――


私の隠された心は、確かにそう感じていたことは否めない。



普段から、表情のわかりにくい顔と、感情の読み取れない抑揚の無い声だと言われている私。


だけど、再びアナタを見つけた時の私は、精一杯平静を装っていたつもりだけど、

きっと、いつもの私ではなかったと思う。



それは、アナタが気付かないくらいの、

私だけにしかわからないような、微少な違いだったのかもしれないけれど。



それくらい、アナタを前にした私の心は、穏やかじゃなかった。


本当に……

どうしてだろう。


やっぱり、よくわからない。



アナタのことになると、私はいつも、わからないことだらけだ。