哀歌 <短>




もともとマメな方じゃない私は、滅多なことがない限り、

自分から、悠真に連絡を入れることはなかった。


他愛ないメールも、電話も、次の約束も……

全てが悠真から与えられるものだった。



そんな私を悠真は、冷めてるだとか、よく不平を漏らしていたなぁ。



「本当に俺のこと、スキなのか?」


肩を丸めて、不安げに尋ねる姿は、なんだか印象的で、今でも瞼にしっかりと焼きついている。

私より、一回り以上も大きな体が、やけに小さく見えたっけ。



それでも悠真は、私に何かを強要しようとは、しなかった。


その不満を、私への欲求には変えず、そのままの私をスキだと言い続けた。

本当に、いつだって。



……あれ?

そんな悠真に、私はいつも、どうやって返事してたんだっけ?


その先が、うまく繋がらない。



私は、いつだって真剣な悠真に、ちゃんと向き合ったことはあっただろうか?


悠真の言葉に、態度に、答えたことはあったのだろうか?



あぁ。

だから悠真は、こんな私に、愛想尽かせてどっか行っちゃったのかな。


無理矢理だとわかっていながら、そんな風に、思考回路を繋げようとしてしまう私は、

やっぱりまだ、現実を受け入れていないっていうことなのかな……



私は、悠真を引きずって、前に進めていないのかな?



それでも、認めたくない。

この感情はそれとはまた、少し違う気がするんだ。