「ごめんね――」
また涙が溢れる…
「目ぇ覚めたか…
よかった…
腹、痛くないか?」
コウキが声を掛ける。
話し声に気付き、
看護師が入ってくる。
「おしっこ出て、
ちゃんと目が覚めたら帰っていいから。」
コウキに説明し、
看護師はすぐ出ていった
「苦しかったな、
もう大丈夫だからな。
ごめんな、
痛い思いさせて…」
どこまでも、私を気遣うコウキ…
あなたは手術中、
何を想っていましたか?
あなたは私が目覚めるまで何を考えていましたか?
どこまでもやさしい
あなたの着た殻を
私が
ヒビ割れさせたのかもね…
「トイレ行って帰ろう。」
膣のなかにガーゼが入っていて
出血さえしていない。
何だか魂がぬけたように
私のこころは、
カラッポだった――
何を考えて帰ってきたのか
覚えていない
「今日はうちに帰りな」
「今日はちゃんと寝ろよ」
コウキはそう言って
有無を言わさず私を家に送り届けた。
今日はそばにずっといて欲しかった…
2時間後、
ガーゼを取るよう言われていた
取ったガーゼは血まみれで、
もうJr.はいないんだと
目でまで確認した…
コウキ…
助けて…抱き締めて…
私はどこまでも
コウキに甘えるズルイ奴
でも、きっとコウキは
今日、私といたくなかった何となくそう思い、
電話ができなかった…
私はそんな日に寝不足で、
頭おかしいんじゃん
ってくらい、スッと眠りについてしまった――


