わたしの名前は…



「ちゃんと話し合って、
今は無理だと、
2人で時間かけて決めた事です。
後悔はしません!
もう、始めて下さい。」




医師に悪気はなかったろう

できれば、みんな
幸せになる方法を見つけてほしい、
簡単に子供を殺さないでほしい



そんな町医者なんだろう。



肩に筋肉注射され、
再びさっきの待合室へ




あぁ、


始まってしまったんだ――


私の肩を抱きながら、
真剣な顔で真っすぐを見つめているコウキ




後悔は―――






産んでほしいと言ったコウキ――

あなたはきっと、
私なんかよりずっと………

ごめんね、コウキ。

ごめんね、Jr.―――



産まないと言い出したのは自分なのに、
泣いてばかり…




「もう泣くな。
これでいいんだ、な!」


私の頭をなでながら
そう言ったコウキの顔は、
何かを我慢していて真っ赤だった…



きっと、泣いていた。

コウキは心で泣いていた。

ただ、私を悲しませまいと必死だったんだね…

あの頃から、
あなたのこころは
もう、少しずつ崩れかけていたのだろう…


強くて、やさしい殻を着た繊細なあなた――