「ここねぇ、もうお産はしていないのよ。
昔はいっぱい産んだ人いるみたいだけど、若い子減ってね。
今はみんなあんなだから」
罪悪感と後悔と、
緊張と居心地の悪さから
私はすごい顔をしていたんだろう
笑いながらそう説明し、
リラックスさせようとしてくれたんだろう…
そこは、長椅子とストーブと、
高さのある台に
一畳ほどの畳がおかれた
待合室だった
あの畳で、
具合の悪い人が休むのか
それとも
昔はそこで、オムツ替えをしたりしたのか――
とりあえず妊娠の確認。
やはり妊娠はしていた。
最終月経から、
妊娠9週2日――
「心臓も動いてるね」
患者に負けない高齢な医者がエコーをして言う…
――――。
それを聞かされて
私はどう反応したらいいんだよ…
コウキも診察室に呼ばれ
中絶の、最終確認がされる…
「本当にいいの?
若いウチに産んだほうが育てるの大変だけど、
身体は楽だよ?いいの?
後悔しない?」
医師はできれば思い止まってくれと言いたいようだった
一瞬、
産みたい、やめたい、
と思った…
でも、
できないと、
弱い自分にまた戻ったら
大声で泣いていた――
泣きじゃっくりが出るほど思いっきり。
感情が押さえられず
驚くほど大声で―――
看護師が私の涙をティシューで拭きながら
「ちゃんと考えて、
悩んで出した結果だもんね。」
そう言った瞬間、
さらに涙が溢れてきた
それを見て、コウキは
私の頭にやさしく手を置きこう言った―――


