夜、
部屋に電話帳を持ち込み、
独りで産婦人科を探していた
地元以外で
ひとりでいけそうな場所…
方向音痴だから、
地図も付いてるところ…
どこがいいのかさっぱりで、
なかなか決められないけど
誰にも相談もできない…
お腹のわが子を殺す場所を、
真剣に考えている自分が情けなくて涙が出る…
ピヨ・ピヨ・ピヨ――――。
こんな時にひよこな私の着信音…
ふざけてコウキの着信をこれにしたんだっけ…
…?!
コウキ!!
掛けてある、制服から
急いで携帯を取り出し
電話に出――…
たら、
マジで振られるのかな…
一呼吸ついて、電話に出た…
「もしもし、サキ?
ごめん…
迎えに行かなくて…
約束したのにな…」
「………」
「ごめんな。
迎えに行くつもりだったんだけどさ、
子供のこと、
オレの叔母さんに相談しに行っててさ…」
え?!
「大丈夫、絶対他には誰にも言わないから…
ただ、産婦人科っても
オレじゃよく分かんないし…
サキ、堕ろして、
もう子供産めなくなったら、
オレとお前の子にもう逢えねーの、
オレ嫌だしさぁ…」
「コウキぃ――」


