ジワジワと尿が終了目指し染みていく…
え?!
1分もしていないのに
1つめの窓に赤線が出る。
え!?何で?
信じられずに、
判定終了の2つめの窓に赤線が出るまで待った…
そこまで行ったら
1つめの窓の赤線が消えるんじゃないかと
初めての私は本気で思っていた…
が、消えるはずもなく…
「…うそ―――」
紙袋に急いでしまい
トイレを出た
コウキは廊下に座り、
下を向いていた
私がトイレに入り
出てくるまで
こうして独り、
何をコウキは考えていただろう…
私が出たのに気付き
顔を上げ、やさしく微笑み
私の肩を抱いて
部屋まで導いてくれた
「大丈夫か?…」
「んん…
妊娠してるみたい…」
作り笑顔で私がそう言うと、
急に私を抱き締め
「マジで!?うわっ、
よくそう言われた話は聞くけど、
うわぁ、何かいいなぁ!!
産んで!産んでよ!
コウキJr.!!」
子供がはしゃぐように
大喜びのコウキ。
コウキJr.…
あなたは生まれたら
きっと、このヒトが
すっごい愛してくれるね…
きっと、私が大人なら…
私がもっと自分のことに責任を負える人間なら…
こんなに喜んでもらって
幸せで、うれしくて…
でも、その時の私には
そのコウキの喜びようも
私“たち”にむけられた愛も
ただつらいものだった――
だって、私は今、
期待を背負った高校生…
産んで欲しいといわれて
こんなに切ないなんて贅沢だ…
でも、やっぱり今は、
妊娠してます、
学校行けませんなんてとても言えない…
そんな裏切りをできるほど強い女じゃない…
母にはまだなれない…よ…
たかが18歳、
子供を産むほどの責任力ない、高校生―――


