わたしの名前は…





「はじめまして。」



カナムは若い男が苦手…

父親を知らないから…
20、30の男と深く関わることもなく…

カナムにとっての男は、
ジジ世代しか有り得ない…



なぜだか元気なのに保育園を休ませられ、
なぜだか正装させられ…

挙げ句知らない
苦手な男が現われた…

そんなところ…
だったろう…



私に、何?誰?
怖い…って眼で語る…




「カナム、ママの―――」

「カナム君か!
オジさんは、ママの彼氏、
君の、パパ、立候補者です。
君と同じくらいママが大好きです。」

「大好きです?
ダメです。
僕のママです。」


私の手を握るカナムの手の力が強くなる。



「…カナムだけが、
ずっとママの味方でいてくれたもんね。
でも、この人はたぶん
ママと、カナムの味方になってくれる人…
です…」



カナムの視線に、視線を合わせ、
カナムに…

どう思う?

と、心の声を、眼で届けてみた…


(あなたが嫌なら…
母は…
ヒトシさえも、有り得ない…)


カナムがあっての…
“私”だから―――