「マジなんだ。
サキのことはマジだ。
サキに逢って、
だから自分の子供…とか考えられた。
今回のことで、余計にサキを、サキの子も、
守りたい、笑顔にしたい、そう思った。」
うなづいていた…
見えもしない電話の先で、
私は声を殺して泣き、
うなづいていた…
自分の子供を元気に…
そう思われた子供は、
実際は存在しなかったけど、
羨ましかった…
自分もそう思ってくれる父親のいる子を産みたかった―――
私の中の、
私さえ気付いていない、
気付こうとしなかった、
何かがヒトシに崩され、
平らになるような感覚…
壁も、岩もない、
平らで開けっ広げの庭を、
ヒトシは私の中につくり…
入ってきた…
そんな感じだった…
何もヒトシを拒む理由が無かった…
「聞いてる?…」
「聞いてるよ…」
「聞いた?」
「聞いたよ…」
「泣いてるの?!
やっぱ友達とヤッた男は嫌だよな…
信じらんないよな…」
「っ違…
バツイチだよ?
子持ちだよ?
なんでわざわざそんなの選ぶの?」
「そんなのとか言うな!
俺は、そのサキを愛してんだよ。
それで俺の好きなサキなんだよ。」


