必死だったのかもしれない…
「嘘は卑怯だけど…
ゴム使ったりしなかった俺が、嘘の種を作った。
そのせいで、
サキを不安にさせたり…
サトミちゃんの身体に傷をつけるところだったかもしれない…」
反省している…
それは声だけで充分伝わってきた…
簡単に堕ろさせると言ったヒトシだったが、
私との電話の後…
「やっぱり…
自分の子だって言われたら殺せなくて…
産みたいと思ってくれるなら、
元気に産んでくれって…
言ったんだ…」
自分が、サトミにヒトシが堕ろさせると言ったのを
うれしいと思ったのが、
恥ずかしかった…
「シングルマザーにしちゃうけど、
子供はちゃんと愛すし、
絶対サキは解ってくれると、
そう思ったから…」
元気に産むためにも、
早く病院へ行こうと
自分も着いて行くからと、ヒトシは言った。
そう言われて、
サトミは妊娠が嘘なのを明かした…
「…バカじゃない。
真面目になって…
あんたみたいないい奴、嫌。
サキにくれるよ…
嘘だよ、嘘。
堕ろせって言うと思ったのに。
バカだね!」
と…
強がり…言って……


