私は…
何から逃げているんだろう…
明らかだった…
ヒトシを
好きになっていたのも、
ヒトシが
サトミと寝たことがショックだったのも、
ひどいけど…
サトミに、
堕ろしてもらうとヒトシが言うのが、
うれしかったのも…。
解っているのに、
どうして素直にならず、
ヒトシを遠ざけようと私はしてるんだろう―――
―――恐かった。
本気で人を好きになって、
また…
失うのが―――
人を信じられない…
いつ裏切られるかとビクビクしている…
裏切られ、
失い、
傷付くことが、
恐かった―――
裏切り、喪失、傷…
そのココロの穴は、
自分で思っている以上に大きくて…
深くて…
真っ暗で…
逃げて、
装って、
隠して…
必死で今の“サキ”を創り上げたのに、
また壊されるかもと…
恐かった―――
あんなにつらいキモチは、もうイヤだ…
あんなにつらいオモイをする出会いなら…
モウイラナイ…
スキになんかならない…
なったらまたキズツク…
傷付きたくない…
もうイヤダ…
明らかな自分の気持ちを、
無いものにしようとする、
もう1つのキモチ―――
もう1つのワタシ―――
繰り返す…
何も成長できていない
もう1つのワタシ―――
逃げる…装う…
得る…埋める…
偽者で…偽物を…
そうして潜在した
ワタシの偽者“カレン”…
それでワタシはワタシを
保っていた…
“サキ”が
キズ付かないように、
“カレン”で守って…
偽っていた…
他人も…自分も……


