「ありがと♪
じゃあねぇ!!」
満面の笑みで、
サトミはアパートに消えていった―――
急ぐように車を出すヒトシ…
ひたすらサトミと視線を合わせないまま、
車が走りだす…
「ヒトシ。
あんた女ナメてる…」
「えっ?何?
なんか怒った?…」
嘘の下手な男…
気付いた私には
もう、その表情は…
自白…
だった…。
「遊ぶなら、他の奴にしな?
私はあんたじゃ騙せないよ。」
嫌味を含めて、
男がたまらない笑顔をくれてやった。
ヒトシはどうも気付かれたことが、
薄々わかったらしい…
必死で浮気を隠すオスのアタフタさ…
もう、見慣れた風景…
なんだ、
やっぱり男はこんなもんか…
そんな気分だった…
バツイチの特権か?
失う男に、
未練なんて感じない…
違うな…
好きと、必要の違い…
いらない…か、いる…か…
冷静すぎて、
傷付くというピュアさに…
欠ける―――
「ヒトシ…
あんたいらない…
私には。
家かえして?
あんたといたくない。」
「………わかった」
そう言ってヒトシは私を家に送り届けた…
「バイバイ。」
「それってずっと?!
ヤダよ!
俺、サキちゃんとまた逢いたい。
なんか今日は怒ってるみたいだから…
でもまた電話するから!」
「…いらないよ。
逢いたくもない。
バイバイ。」
私は必死なヒトシを
見もせず車を降りた―――


