「あ…」
サトミを見て、ヒトシが声を出した。
「何?ダメ?
知ってるでしょ、サトミだよ?
家まですぐだしいいでしょ?」
ヒトシがサトミを見て
え?!って顔するから
わざと言った。
「あ、あぁ、いいよ…」
助手席に私、
後部座席にサトミ―――
「へぇ!
2人付き合ってんの?」
「そうじゃないけど…」
妙に早くヒトシが答える…
サトミに
好きだ攻撃されてるはず、
だからぎこちないのは当たり前…
私はそう、
一つも疑っていなかった…
ヒトシが一生懸命私に話し掛ける…
サトミじゃなくて
私のことが好きなんだと、表現したいんだ、
そう、疑いもしなかった。
だけど…
浮かれた私はやっと、
気付いてしまった…
(何でサトミのアパートにナビ無しでヒトシは向かってるの…)
私はその瞬間、
話が繋がった―――
そこからサトミが車を降りるまでの
ヒトシの話したことを、
1つも…
憶えていない…


