「おっかしーな(笑)!
俺達すごくねぇ?!
タイミング良すぎねぇ?
サキちゃんがトイレ行くのに履いた靴、 俺のでよかったぁ(笑)!」
「良くないよぉ(笑)!
その格好は合コンになしでしょお(笑)!!」
まともに足が入らず、
ヒール付きのブーツをつま先だけ履いたヒトシ…
(格好悪すぎ!おもしろすぎ!)
そしたらヒトシの表情が、急に真面目になった…
「いや。
良かったよ…
おかげでサキちゃんの最高の笑顔見れた…
笑わねーんだもん、
俺来たせいかと思った…」
(あっ…)
私は大口を開けて笑っていた…
“サキ”が
思いっきり、笑っていた…
「や…え……
だって…」
「俺得したぁ!
こんなきれいな人の豪快な笑い見ちゃったぁ!
…かわいいな、
そういう飾らない笑顔…
俺、好きだな…」
そう言って
ヒトシは私の肩をつかみ、
キスをした…
やさしくて…
どこか懐かしい―――
ヤバイ!
そう思った…
(落とされる…)
――――。
「ちょっと!…
何してんのよ!こんな通路で!!
バカじゃない!?
人に見られるじゃん!!」
強がった…
男なんか、信用できない…
(落ちたら…負ける!)
必死に自分に言い聞かせた…
強くなるんだ、
男になんか負けない!
男なんかいらない!!!
大口開けた笑い顔…
思いきり笑う私…
ここに…
“サキ”は、いらないのに―――
なのに…
そこは私の…弱い…
ところ………
ユウキの言葉が脳裏を過る…
大口開けて笑う顔――
サキのまんま――


