わたしの名前は…


次の日、

「今から迎えに行くから」

と、いつもの電話…


今日話そう――
コウキに会って、ちゃんと話そう、
そう決めていた。


静かな部屋、
コウキの車の音がする

夜の外に重低音のエンジンが響く――

私を迎えに来る
幸せの音…

いつまでも
聴いていたい音…

幸せな音を聴きながら
部屋を出、階段を降りる…
吸い込まれるように
玄関を出る

コウキが車から降り
迎える――



「遅いよ。
オレが逢いたいってのに、
何日待たせてんだよ…」

そう言って
私を抱き締める――



「ごめんなさい…」

「…許さねぇ、乗れよ―――」

何も会話せずコウキの部屋まで来た





「怒ってる…の?」

「怒ってねぇよ、ムカついてるだけ。
何で電話出ねーの?
嫌になった?」

「っ違う!!
ごめん…
電源…切ってた…」

「だから何で!」

「…試験だった…入試――」



「は? サキ、
推薦合格してんだろ?」

「そうなんだけど…
もう1個別受けたの…」

「何だ、試験するためかよ
だったら最初から言えば邪魔なんかしねーよ。」

「そうなんだけど――
邪魔なんかじゃないし…
違うの……」



コウキは邪魔なんかじゃないよ!
それどころか
試験中にとなりにいてもいいくらい!

そばにいてくれたほうが落ち着くし…

何より、試験日程中
あなたのことばかり考えてた…

今、言わなくちゃ―――

「――あのね、コウキ…」