その日
コウキは朝からなにやらめずらしいことをしていた――
私と付き合ってから、
1度もコウキが自分の部屋を片付けるのを私は見たことがなかった。
いつも私が片付けていた。
「どうしたの?
めずらしいね?
っていうか、初めて見た」
「ん?…あぁ…
ほら、お前妊娠中で無理できないだろ?
たまにな、たまに。」
「ふーん…」
何だかんだ言っても、
だんだんパパになってきてくれてんだ…
何だかしあわせな気分…。
しかし、
片付け終わったとたん
「サキ、Hさせてよ。」
「え?でも…
妊娠中にHしたらダメなんじゃないの?」
「いいじゃん別に!
ヤラせろよ!
お前オレの女だろ!!
オレには抱かれたくないのかよ!」
「違っ!!
でもまた流れたら…」
「うるせぇなぁ!!
ヤラせろっつってんだよ!
好きなんだろ、オレのこと!!」
すごい形相で怒鳴り、
無理矢理…
どう考えても、
愛なんて感じないSEX…
まるで…
レイプ―――
その日私は夜間の勤務だった。
それをコウキも知っていた…
「じゃあな、
夜勤頑張れよ!
無理しすぎんなよ!」
コロコロ態度が変わるコウキ…
ニコニコ笑って
夜勤前に私を家に送り、
何だか機嫌良く帰っていった…
と、思っていた…
まだ素直に子供のこと認められないだけかな…
オレの子かよって言っちゃった手前…
時折見せるコウキの笑顔に、
願いを託し…
その笑顔だけを見ていよう…
そうして
壊れそうな自分のキモチをつなぎとめていた―――


