わたしの名前は…



大量出血…



その後は
何事もなかったように
生理のような出血が続いていた…



その夜
母が仕事後アパートにやって来た。

「血は?」

「出てる…
生理みたいに…」



「サキ…
それ、生理だよ。」

「違うよ、だってサキ赤ちゃんいるんだよ!?
生理なんか来るわけないじゃん!」

「流れちゃったんだよ!
血がどこから出てるか分かってるでしょ!
生理みたいに出てて、
赤ちゃん平気なわけないでしょ!!」




知っていた…


でも、認めたくなかった…


自分の大切な子を
トイレに―――




「何で言うの!
知ってるよ。
知ってるけど
産みたかったのに…
今度は産もうと…
みんなになんて言われても守ろうと思ったのに!!」



「サキ――」



「何で?何でこうなるの!」

「サキ…
ごめんね…
母さんだけでも
あんたの味方してあげればよかったね。
みんなに反対されて辛かったね…
母さんがダメにしちゃったのかもね…」



泣きじゃくる私を抱き締めながら、
母も泣いていた


泣きながら
ゴメンネ…
と、何度も何度も謝っていた



「サキ明日病院行こう?
母さん休みもらったから一緒に行くから。」



朝の激しい痛み、
血が出ている、
赤ちゃんが流れた、

ショックと
受け入れたくない気持ちで何も食べていない私は
脱水状態…

トイレに行くこともなく、
大量の血を流すこともできずにいた…



それを見て母は
また泣きながら、
ゴメンネと言い
トイレのレバーを引いた…



まだ見えない私の赤ちゃんは、
ただの生理と同じに
トイレに流れていった…



どこからヒトで、
どこから生理なのか…

19歳でも、
母になる気持ちはある…

法律の問題じゃない。

私は間違いなく、母で、
流れた血は、
間違いなく、



私のこどもだった―――