「コウキ、
赤ちゃん、聞いてるよ?
コウキは自分の子に、死ねって言ったも同然だよ。
最低だね…
あんたが死んじゃえ。」
何かに取り憑かれたように口から感情なくあふれる…
死んじゃえ…
誰も、誰に対しても、
そんなことを言う権利はない…
たとえこんなにひどい
コウキにだって…
はっ、と
我に返ったときには電話を切っていた
もう、完全に終わりだ…
私はそのまま、
母に電話をした。
「コウキは…
いらないみたい…」
「ほらね…
それが2人の答え?
週末戻っておいで…
母さんが病院予約しておくから…」
「嫌だ!行かない!
私一人で産む。
殺さないで…」
「サキ…
子供を育てるのは、
そんなに簡単なことじゃない。
分かるでしょ?」
「分かってるよ!
簡単だなんて思ってない!
ちゃんと考えて――」
「ちゃんと考えてるなら諦めなさい!
今産んでも、その子は幸せじゃない!
お金もない、
父親もいない、
不幸な子にしたいの?!
その子がかわいいなら、今は諦めなさい!」
「不幸になんかしないよ!」
「今産んだら不幸でしょ!
あんたは学校途中で仕事もない、
コウキはこんな大事なときにいい加減!
産まれた子供が可哀想だ!!」


