わたしの名前は…


ガチャ――




浴室から出ると、
テーブルの上の携帯の音の大きさが
静かな部屋にウルサイ程…


たぶんコウキからだ…




「なんか、
電話の音まで怒ってるみたいだね…」


はたから聞いたら独り言…

でも、確実に私は
お腹の子を意識していた。


産む。
母になる。

そう決めたときから、
私は、私の中に
もう一つの命を感じていた。



ここに、生きている―――



「強くならなきゃね、母!」

お腹を触りながら電話に出た。



「何勝手に切ってんだよっ!
かけたのオレだぞ!」

出た瞬間怒鳴るコウキ。


「携帯の音といっしょ…」

なんだか予想どおりで笑えた。