「良かった…か…
場合によってはね…。
この基礎体温、おかしくはない。
妊娠している女性としては―――」
は???!
「え?」
意味が受け入れきれず、
すごく楽しい音楽が
突然ブチッと止められたような感覚だった…
「やっぱり気付いてないか…
コレ見てごらん。」
アレだのコレだの言われる私の基礎体温表…
を見せながら、
医師は私に説明しだした…
「コレさ、ほら、
この後くらいから
ずっと君、36.7℃前後だよね…」
「…で?」
「んー。
ほら、ココ見て。」
医師は基礎体温表の説明書きのページを開き、私に見せた。
「ほら、解る?
コレ、今の君の体温の波と同じでしょ?」
医師が同じだと見せた体温の見本は、
妊娠した場合の物だった…
………。
「つまり、君、
ここで、性交渉の印、付けてるよね?」
確かに…
私は、買った基礎体温表のマニュアルどおり、
きちんとコウキとHした日を印していた。
「コノ前は、
生理不順で波がめちゃくちゃで解りにくいけど、
ココで君、
排卵したんだね。」
まだ意味が解らなかった。
理屈よりも
結果どうなのか、
端的に生きてきた――
「だから?」
自分は生理不順を、
不妊症を、
治しにきている。
それしか頭になかった…
「はぁ…」
医師は
深いため息をついた…
「だから、つまり、
君は妊娠している。
ってことだよ。」
「え?!」
妊娠している?―――


