青空――
冷たく澄んだ空気――
駅から出て、空を見上げた――
Jr.が見ていてくれる、
そんな気がした
だから、
産婦人科までの足取りは軽かった。
待合室での視線も気にならなかった。
お母さんについてきたどこかの子供に、微笑んだりもできた。
「木下さーん、どうぞ。」
「今日はどうしたの。」
カルテを見ながら医師が言う。
「何か症状出た?」
「いや、大丈夫です。これ…」
「おー、そうか。
よく付けたなあ、どれ…」
私が出した基礎体温表を広げる医師…
「ここで生理があったのな…
今、妊娠の可能性は?」
「ない。100%ない。」
「セックスは?」
「してない。」
どうなのよ!
早く結果を教えてよ!
「血も検査しよう…
無排卵性月経だな。」
「何それ?」
「要は、卵が作られてない。
つまり、妊娠ができない状態。」
「え?何で?
生理来てるのに?」
「そう。
卵がなくちゃ、
精子が受精できないだろ?
それは解るね?」
医師は基礎体温表を私にも見せながら、
前とは違って丁寧に説明した。


