電話の向こうにはナルセ先輩がいた…
コウキから携帯を取り上げ、
ナルセ先輩が怒鳴るように言う
「振れっ!
もういい。振れ!」
「おい!!ナルセっ!」
「うるせぇ!黙れ!!
お前、サキ幸せにできんのかよ!
泣かせない?
だったら1回でも泣かすんじゃねーよ!!!」
ナルセ先輩とコウキの声が電話の向こうでぶつかる
「振れ!サキ!
今許しても、
お前がキズ付いたのは消えねーんだぞ!」
ナルセ先輩…
「解ってる。
でも、自分でもどうしていいのか解んないんだ、
解んないんだもんっ!!」
人は
どれくらい涙を流すことができるんだろう
涙が止まらない…
「許せないよ…
絶対許せないのに
失いたくない―――」
「解ってる。
お前がコイツのことすげぇ好きなのなんか、みんな知ってるよ。」
助けて…
誰か私の納得できる答えを教えて…
「でも今振らなきゃ、
お前これからも泣くんだぞ!?
思い出しては泣くんだぞ!」
「解る。
解るけど、
だって好きなんだもん。
裏切られたのに、
好きなんだもん―――」
「だけど、お前…」
ナルセ先輩は知ってるね…
許すことが
幸せにつながらないこと…
笑ってる裏に、
許した辛さがあること…
本当は
許せないキモチの
やり場のなさを…
親友を振れと言う、
あなたのできなかったこと
同じ間違いを
させまいとしてくれたんだよね――


