その日の夕方。
屋敷の玄関で執事と熊さんを見送る私。
「楽しんで来てくださいね。」
私は、執事と熊さんに言った。
「はい。小夜さんも、問題児達をお願いしますね。」
執事が、少し心配そうに屋敷の奥を見た。
私の執事の視線の先を見ると、そこには、廊下の先の曲がり角に顔だけ出して、羨ましそうに睨んでいる、真木ヒナタと組長の姿があった。
「・・・・頑張ります。」
私は、苦笑いを浮かべながら答えた。
「小夜・・・・おみやげ・・・・・かってくる・・・・・待ってて。」
熊さんが、笑顔で私を見た。
その熊さんの手には、タッパが握られていた。
「く、熊さん・・・その手に持っているタッパは何?」
恐る恐る、尋ねる私。


