やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】



「いったい、何の騒ぎですか?」



その時、執事が、騒ぎを聞いて、歩いてきた。



「あっ、龍一さん!」



私は、執事のところに走っていく。



「どうしたのですか、小夜さん?」



執事は、先ほどとは違い、いつもの優しい感じに戻っていた。



「はい。あの、実は、商店街の福引でこれが当たって・・・いつも、龍一さんに迷惑かけてるから、龍一さんにあげようってことになったんですよ。」



私は、笑顔で執事に無料お食事券を渡した。



「何ですか?・・・・無料食事券?・・・・これは、あの高級フレンチではありませんか。・・・これを私に?」



驚いたような表情になる執事。



「はい。ペアチケットなんですよ。ペアチケット。」



私は、ペアチケットという言葉を強調する。



「そうですか・・・ありがとうございます、小夜さん。」



執事は、うれしそうに優しく私の頭を撫でる。