「いったい、何の騒ぎですか?」
その時、執事が、騒ぎを聞いて、歩いてきた。
「あっ、龍一さん!」
私は、執事のところに走っていく。
「どうしたのですか、小夜さん?」
執事は、先ほどとは違い、いつもの優しい感じに戻っていた。
「はい。あの、実は、商店街の福引でこれが当たって・・・いつも、龍一さんに迷惑かけてるから、龍一さんにあげようってことになったんですよ。」
私は、笑顔で執事に無料お食事券を渡した。
「何ですか?・・・・無料食事券?・・・・これは、あの高級フレンチではありませんか。・・・これを私に?」
驚いたような表情になる執事。
「はい。ペアチケットなんですよ。ペアチケット。」
私は、ペアチケットという言葉を強調する。
「そうですか・・・ありがとうございます、小夜さん。」
執事は、うれしそうに優しく私の頭を撫でる。


