「あっ、ちょっと待ってくれ。実は、まだ用事があってな。」



加藤刑事が、帰ろうとする私達に声をかけてきた。



「えっ、何?まさか、嘘でした・・・とか?」



「警察がそんなことするわけないだろ。大和の件は、もういいんだがな。・・・入って来い。」



加藤刑事は、大きな声を出して、部屋の外に声をかけた。



加藤刑事に呼ばれて、3人の警察官と1人の男が取調室に入ってきた。



3人の警察官に囲まれた男は、私もよく知っている男だった。



「・・・真木さん。」



3人の警察官に囲まれた男は、真木ヒナタだった。



真木ヒナタの両手には、手錠がはめられていた。