「・・・・ポチさんの髪の毛剃るくらいなら、いつやってもらっても、まったく構いませんけど、・・・・確か、ポチさんの話を聞いただけだと、組長は、ポチさんをかばって、警察に捕まったんじゃなかったですか?」
「俺が、ポチをかばったぁ~?どこのどいつが、そんな嘘を言いやがったんだよ!」
激怒する組長。
組長が、縛りつけてあるイスが、さらに激しく揺れて、音を立てた。
「いや、当人たるポチさんですけど?」
「ちが~~~う!!!!!あの野郎は、こともあろうに俺に一緒に最後まで逃げましょうと言いながら、次の瞬間、俺の足を引っ掛けて、転ばして、自分だけ先に逃げやがったんだよ!」
「・・・・やりそうですね。」
執事が、納得した表情でつぶやく。
「確かに、むしろやらない方がおかしいですよね。」
私も、人生でこれほど納得できることがないくらいに納得した。
「・・・・・そういえば、そうだな。」
何故か、激怒していたはずの組長まで私と執事の様子を見て、納得していた。
「それで、もう誰も信じられないって言ってたんですか?」
「・・・うん。」
組長が、私の言葉にうなずく。
「まったく、大和は、そんなことで人間不信になってたんですか?」
呆れたような表情で執事は、組長を見た。


