「ちょ、ちょ、ちょっと、待ってくれよ、龍一。いや、龍一さま。もう一度だけ、もう一度だけで結構ですから、チャンスをください。」 イスをガタガタさせながら、必死の形相で執事に許しを請う組長。 「・・・・もう一度だけですよ、大和。」 いつもより微妙に低く響く声の執事。 「ありがとうございます、龍一さま!」 歓喜の表情を浮かべる組長。 「それでは、何故、このような事態になっているのかを話してください。」 組長は、執事に促され、再び話を始めた。