「大正解!!!俺は、まったく反省してませ・・・。」
ガツンッ!!!
いつの間にか、いつもどおり、神出鬼没に私の後ろに登場していた真木ヒナタ。
同じく、取調室の中の組長に気取られないように近づいてきていた執事のきつい一撃を脳天に浴びて、うずくまって悶絶した。
「今の声は、ヒナタだな!!やっぱり、お前、反省してないんじゃないか!!!」
真木ヒナタは、よほど執事に強く殴られたのか、まだ脳天を抑えてうずくまったまま、声を出せないでいた。
「く、組長。今、表に真木さんはいませんよ。組長の被害妄想です。」
とっさに口から出まかせを言う私。
「・・・そうなの?」
そして、素直にそれを信じる組長。
「そうですよ。組長が、真木さんを憎むあまり、幻聴が聞こえたんですよ。」
「・・・・そうかな・・・・そうかも。」
根が素直な組長は、私の言葉に納得した様子が伝わってきた。
「それより、何で組長は、もう誰も信じないなんて言うんですか?あんなに馬鹿みたいに人を信じるのが組長のいいところだったじゃないですか?」
「・・・・それ、褒めてるの?」
「ほ、褒めてるに決まってますよ!」
私は、焦って即答した。
また、ここで組長にへそを曲げられては大変さが増すだけだから。