「アッシにだって言いたい事ありますよ!!!小夜姉さんの銀行強盗を助けるために無理やり銀行強盗させられたり・・・・・。」
いきなり警察署の目の前で泣きながら、一番言ってはいけないことを叫びだすポチ。
私は、ポチの言葉に顔が青ざめていく。
ゴツンッ!!
「キュンッ!」
バタンッ!
気持ち悪い泣き声と共にその場に倒れこむポチ。
「まったくいきなり何を叫びだすのかと思えば・・・。小夜さん、気にする事はありませんよ。」
ポチを黙らせるために鉄拳を振り下ろした執事が優しい笑顔で私に言った。
「・・・・でも・・・すいません。私のせいで組長捕まって大変な状況なのにポチさんと騒いでしまって・・・。」
私は、状況を思い出し、執事に謝る。
「小夜さん、気にしなくてもいいですよ。問題児たちを押しつけたのは、私なのですから。」
どこまでも私に優しい執事。
私は、その優しさに涙がこぼれそうになる。
「龍一さん・・・。」
私は、必死に涙をこらえながら、執事を見つめる。
「ほら、小夜さん、元気をだしてください。小夜さんは、よくやってくれてますよ。」
笑顔で私を見つめる執事。
一瞬とも永遠とも思える静寂の中、見つめ合う私と執事。