「それでは、どういうことか、説明してもらえますか?」



執事が、私を見る。



「はい。実は・・・・。」



私は、執事に言われた通りに今日、銀行で起こった事の説明をした。



「・・・・・そうでしたか。そんな事があったんですか。」



執事が、驚いたような表情でうなずく。



「はい。それで、三郎お爺さんと、カンジさんとミチさんの問題をどうにか解決できたらと思って、とりあえず、話し合うために、アパートに帰ってきたんです。」



「なるほど。・・・・ところで、大和の事がまったく話に出てきませんでしたが、大和は、どうしたのですか?」



執事が私を見る。



「・・・・?私は、組長には、会っていませんけど?」



「おかしいですね?美奈さんを預けに来た時は、ヒナタさんと大和は、一緒に私のところへ来たのですが?」



執事は、不思議そうな顔をして、真木ヒナタを見た。



「んっ?・・・・・・大和か?・・・・・・・・・・・・確か、大和は・・・・・あっ!」



執事に見つめられ、考え込んだ真木ヒナタが、急に、気まずそうな表情に変わる。



「・・・・何かしたんですか、真木さん?」



真木ヒナタの表情で見て、不安な気持ち全開で尋ねる私。



部屋にいる人、全員の視線が、真木ヒナタに集まる。