執事は、屋敷の部屋の一室の前で止まった。



その部屋のドアの前には、他の部屋にはない、認証システムがあった。



執事は、右手を認証システムの上に乗せる。



すると、コンピューターの声で『確認完了致しました。どうぞ、お入りください。』と音声が流れた後に、部屋のドアが開いた。



「さあ、入りましょう。」



私は、執事にうながされて、部屋へと入っていく。



そこには、机の上にパソコンが一台置いてあるだけのシンプルな部屋だった。



「・・・ここは、何の部屋ですか?」



部屋に入り、キョロキョロしながら、尋ねる私。



しかし、いくら見渡しても、机とイスとパソコン以外、何もない。



「ここは、お金の管理をしている部屋です。」



執事は、イスに座って、パソコンを立ち上げながら言った。