やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


「朝食できましたよ~。」



ポチが声を掛けてきた。



「おう、ちょうど良かった。」



組長が返事をして、私と組長は、お風呂場から台所のテーブルに向った。



組長の背中に背負われた美奈は、まだ、ぐっすりと眠っていた。



私と組長が、すでにポチ、サブ、真木ヒナタの座っているテーブルについた。



「よし、みんなついたな。とりあえず、朝の労働ご苦労さん。今までは、小夜ひとりに押し付けていたけど、今からは、みんなで協力して頑張ろう!」



「はいッ!」



組長の言葉に、ポチ、サブが返事をした。



「小夜、何かあるか?」



組長が私を見る。



「えっ、・・・・・あの~・・・・本当にありがとうございます。皆さんが、労働する姿を見て、私、本当にうれしかったです。・・・ポチさんは、料理作ってくれるし、サブさんは、トイレ掃除してくれるし、組長は、お風呂掃除してくれるし、真木さんは・・・・・・・・・真木さんは、何してたんですか?」



私は、真木ヒナタを見た。



「味見してたんだよ。」



笑顔で答える真木ヒナタ。



「味見?」



「ああ、ポチが作ったものを安全かどうかの味見!」



自信満々の真木ヒナタ。