「美奈ちゃん、私、小夜、はじめまして。」



私は、まず、笑顔で挨拶をする。



「・・・・・美奈・・・・・5歳。」



美奈は、恥ずかしそうに組長の背中に隠れて、顔だけ組長の背中から出して答えた。



「そう、美奈ちゃん、5歳なんだ。ところで、美奈ちゃん、お母さんは、どうしたの?」



なるべくゆっくりと話しながら、美奈に聞いた。



「・・・お母さん、どこか行った。」



少し哀しそうに答える美奈。



「・・・そう、それで、お母さん、どこに行ったのかわかる?」



「・・・・ううん。」



首を横に振りながら、答える美奈。



「それじゃ、お母さん、いなくなった時、誰かと一緒だった?」



「・・・・うん。」



美奈は、今度の私の質問には、首を縦に振りながら答えた。



「どんな人と一緒だったの?覚えてる?」



「・・・・うん。」



美奈は、再び首を縦に振ると、組長の背中から、真木ヒナタのところで行って、真木ヒナタの懐を指差した。



「どうしたんだ、美奈?」



真木ヒナタが、美奈を見る。



美奈は、真木ヒナタの懐を指差したまま動かない。



「真木さん、懐に何か入れてるんですか?」



私は、真木ヒナタに尋ねた。



「えっ?懐の中って・・・さっき出した拳銃以外入れてないけど?」



真木ヒナタが、再び、懐から拳銃を取り出した。