「大和様は、どこですの?」
私の言葉は、無視して、店内を見回す葵。
「組長は、今、いません。」
(そんなの私が聞きたいくらい!!)
私は、心の中では、思っていたが、とりあえず、それは言わないでおいた。
「せっかく、大和様が、お金に困っていると聞いたので、この葵がとりあえず3億ほど用意してきましたのに・・・」
残念そうにつぶやく葵。
「さ、3億円?」
絶句する私。
「あら、お貧乏な小夜さんには、可愛そうな話でしたね。オホホホホホホ・・・・」
わざとらしい笑い声で笑う葵。
「ムカッ・・・・そうですね。貧乏な私に出来ることと言えば、組長の側にいることぐらいですからね。フフンッ!」
勝ち誇った目で葵を見る私。


