やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】



「大和様は、どこですの?」



私の言葉は、無視して、店内を見回す葵。



「組長は、今、いません。」



(そんなの私が聞きたいくらい!!)



私は、心の中では、思っていたが、とりあえず、それは言わないでおいた。



「せっかく、大和様が、お金に困っていると聞いたので、この葵がとりあえず3億ほど用意してきましたのに・・・」



残念そうにつぶやく葵。



「さ、3億円?」



絶句する私。



「あら、お貧乏な小夜さんには、可愛そうな話でしたね。オホホホホホホ・・・・」



わざとらしい笑い声で笑う葵。



「ムカッ・・・・そうですね。貧乏な私に出来ることと言えば、組長の側にいることぐらいですからね。フフンッ!」



勝ち誇った目で葵を見る私。