「・・・何」




優くんは、まだそっぽを向いて、気だるくしゃべる。




「あの、・・・好き!」




そう言うと、長い前髪から、少しだけ見える目が、大きく開いたような気がした。




「声が?・・・もういい?」



「違います。・・・大間優、すべてが好きです!」



「・・・え」




そっぽを向いていた優くんは、驚いたように、こちらを向いた。




「昨日は、ゴメンなさい。もし、あの言葉を聞いてたなら、本当に。・・・私、優くんが好きなの。声もそうだけど。・・・全部♪」




思いっきり、笑って言った。
好き、と言う気持ちが伝わるように。
優くんの心に、伝わるように。