『あら、出掛けるの?』

朝っぱら、パジャマ姿の母に聞かれた。

そりゃ、そうだ。

まだ朝の9時。

なのにあたしは

お気に入りの鞄にお気に入りの服を着ている。

『……まぁね。』

『なら遅くならないようにね。

遅くなったらうるさいんだから。』

と母がこっそり言う。

『うん。』

だってうるさいんだから。

そう返事しながら、あたしはドアを閉めた。

『……はぁ。』

息が白い。


今日も寒くなりそうだ。


あたしは足を動かし、学校へと急いだ。