「奏!!」
「奏ー。」
「奏奏奏」


俺は野村 奏。


高校受験を無事に終えて春休みを迎えていた。


部屋の壁には新しいブレザーの制服がかかっている。


それを見ながらニヤニヤしていた俺を呼ぶ3人の声。



出所はバラバラ。


一人は個人の部屋から

もう一人はリビングから

そしてもう一人は洗面所



俺はため息をついて部屋を出た。




−コンコン−


「真紀ねぇ。」


「あ…奏?入って。」



俺は部屋のドアを開けた。



そこには黒いスーツを着た長女の真紀がいた。