「僕、こんなひねくれた性格だから、『好き』とか言えないし」



ひねくれてたのは、認めるんですね。



「本当は、誰よりも大切に扱ってきたつもりだよ?」


「どこがですか。・・・これっぽっちも感じられませんでしたよ」


「ちょっと黙ってて」



王子の顔が、一瞬引きつったように見えた。
だけど、太陽の光がまぶしくて、表情があまりとらえられない。



「今日子ちゃんを、『パシリ』として扱うのは、僕なりの愛情表現のつもりなんだけど」


「・・・うそ。・・・え、ホント!?」



王子は、またそっぽを向いた。
こっちを、見てよ。
こっちを向いてよ、王子。