「な、なんで王子が・・・」



目をパチパチとして、隣の男を見る。
どの角度から見ても、やはり男前である。



「ふっふー♪なんでだろーね?」


「だって、さっき追いかけてこなかったじゃん・・・」


「今日子ちゃん、バカですかあ?僕は追いかけなくても、今日子ちゃんのいる場所はいつも知ってるんだよお?」


「ストーカーですか・・・あなたは」



でも、今、二人きりだ。
そっちの方が、嬉しいような気がした。



「もー、いきなりキレちゃったりするからぁー」


「だって・・・王子、いっつも私のことパシリ扱いするじゃん」


「昔からでしょ」


「・・・む、かし・・・から・・・」



そうだ。
昔からだ。