頭を優しくなでながら、後ろを振り替える。



「・・・ばかー」



王子は、追いかけてきていなかった。



普通、追いかけてくるもんでしょ!?
なんで追いかけてこないのさ!
シュンのう゛ぁかあああ!!



バケツにはまった右足は、汚い汚い水でびしょぬれだ。



「もうやだあ・・・」



半泣き状態で、とりあえず、校舎から出る。
お日様にでもあてて、乾かそうかな・・・。



「くっさ」



暖かく照っている太陽は、汚い色をした靴下と私を照らしている。
逆ギレして、汚い水に足をハマらせて、あげくの果てにはたんこぶできてるよ。



「ホントに、運ないな・・・私」



呆れるほどに、だ。



「まったく、今日子ちゃんはひどいよねー」



近くにあったベンチに座ると、いきなり隣から声がした。